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2006年10月06日(金)更新

経営者になるにあたってとりかかったこと

<質問>
経営者になるにあたって、まず何から取り掛かりましたでしょうか。
(慶應義塾大学4年 吉井千晴さん)


私の場合、まったくの異業種から今の会社を引き継いだという経緯があります。右も左もわかない状態でしたが、幸い事業としては日々動いていましたので、弊社の財務分析から行いました。

数年分の損益計算書と貸借対照表、それらをもとに作成したキャッシュフロー計算書、元帳から拾い出した主要な科目別の明細表が基礎資料です。
分析を行うことで財務的に強みは何か、弱みは何で当面どのような補強をしないといけないのか、ということを考えながら周りの話を聴いて会社の方向付けを行っていきました。

2006年10月05日(木)更新

プロセスアプローチと利益の出るISO9001(2)

プロセスが定まったら、ISO9001ではプロセスをモニターしなければなりません。

8.2.3 プロセスの監視及び測定
組織は、品質マネジメントシステムのプロセスを適切な方法で監視し、適用可能な場合には、測定をすること。 これらの方法は、プロセスが計画どおりの結果を達成する能力があることを実証するものであること。 計画どおりの結果が達成できない場合には、製品の適合性の保証のために、適宜、修正及び是正処置をとること。
(ISO9001 品質マネジメントの国際規格)

つまりプロセスが計画どおりの結果を達成しているかどうかについて、自動車のタコメーターのように常にモニターすることができるようにしなければならないのです。
もしこのメーターが異常値を示せば、そのプロセスの関係部署は何らかの手を打たなければなりません。

プロセスの概念

ではプロセスのモニター項目を何にするのか?
ISO9001導入当初は、弊社ではこのモニター項目を単純にクレーム件数としていました。
クレーム件数の目標値を定めて、その目標を達成する、というやり方をしていました。
ですがクレーム件数を減らしていけば品質が上がるのか、利益が増えるのか、というと弊社の場合はそうとも限りませんでした。

良く考えてみると、何をモニター項目とするかはそのプロセスの部署の方針や戦略に基づくべきことであり、引いては全社レベルの品質方針、経営戦略に基づくべきものです。
そうでなければその企業が実行している戦略とはかけ離れた項目をモニターしていることになり、利益には結びつかず、仕事量を単に増やすだけで終わってしまうとことになりかねません。
どうやらISO9001は利益を生まない、という認識はこの辺りから出ているような気がします。

ISO9001を企業の収益に役立てるためには経営方針、経営戦略に基づいて適切なモニター項目を決める必要があります。
プロセスのモニター項目を決めることはトップの理解と関与が必要でしょう。

2006年10月04日(水)更新

プロセスアプローチと利益の出るISO9001(1)

社内で行われているプロジェクト・チーム「ISO(アイソー)会」も中核部分の議論に踏み込んできました。

以前にも取上げたましたが、ISO9001(品質マネジメントシステム)はプロセス・アプローチを採用しています。

従って業務の流れをプロセスに分ける必要がありますが、プロセスとして捉えるには以下の条件を満たさなければなりません。

1)プロセスのインプット項目が何かを答えることができる。
2)プロセスのアウトプット項目が何かを答えることができる。
3)あるプロセスのアウトプットは次のプロセスのインプット項目になる。
4)プロセスを何らかの指標でモニターすることができる。

例えば営業部の業務手順として、

顧客開発->仕様の確認->見積もり->折衝->受注

という手順があるとしましょう。

さて「顧客開発」という手順はプロセスと捉えることができるでしょうか?

顧客開発のインプット項目は何でしょうか?
・・・・・・取引の無い顧客。

アウトプット項目は?
・・・・・・取引を新しく始める顧客。

少し待って下さい、

プロセスアプローチでは、あるプロセスのアウトプット項目は次のプロセスのインプット項目でなければなりません。
この場合、「取引を新しく始める顧客」というのは「仕様の確認」のインプット項目になるでしょうか?

・・・・・・・・・何か違うような気がします。

プロセスとして捉える場合、通常会社で使う業務手順、というのとは少し違うようです。
上記の4つの条件に従って業務をもう一度捉えなおしてみることが必要です。

2006年09月14日(木)更新

なぜなぜ5回

弊社では社内の品質マネジメントシステムをよりよくするために、プロジェクトチーム・ISO会(アイソーカイ)を開いています。

昨日は「なぜなぜ5回」を使って、是正処置の考え方をトレーニングしました。

「この原因はなぜ?」を5回もやると、いろいろな切り口が見えてきます。



なぜなぜ分析のトレーニング

2006年09月06日(水)更新

ISO会(アイソーカイ)で取り組むこと-プロセスアプローチ

ISO9001で必ず理解しておかなければならないことの一つが「プロセス・アプローチ」です。

現在、将来を含めたお客様が満足してもらえるような製品・サービスを提供するためには、製品やサービスの品質のみ向上を考えていては達成できません。
製品やサービスを生み出す仕事のやり方やマネジメントの質も上げなければならないでしょう。

一連の仕事の流れの中の一つ一つをプロセスとして捉え、各プロセスをどのようにマネジメントしていくのか、それを仕組みとして作り上げるのがプロセス・アプローチです。
プロセスをマネジメントしていくためには以下のことを明確にしなければなりません。

1)プロセスを明らかにする。
どのようなものがプロセスかは、会社によって異なります。 業種によっても違いますし、会社規模によっても異なるでしょう。
例えば、
  
 営業―>設計―>製造、

といったものもそれぞれプロセスですし、
営業の中でも

  集客―>アポ取り->提案->見積もり->価格交渉->受注、

というのもそれぞれプロセスです。
プロセスはその会社の現状に併せて、マネジメントしやすいレベルで考えれば良いと思います。

2)そのプロセスへのインプット項目は何かを明らかにすること
例えばそれは原材料であったり、お客様から来る仕様書であったり、集客リストなどの情報であったりします。

3)そのプロセスからのアウトプット項目を明らかにする
例えばそれは仕掛品・製品であったり、図面であったり、お客様とのアポイントのスケジュールであったりします。

4)そのプロセスを適切にモニターするための仕組みを明らかにする。
それぞれのプロセスが適正に活動されているかどうかをモニターする仕組みを作っていきます。 
例えば製造であれば、工程間検査での良品率、といったものです。


繰り返しますが、プロセスの捉え方は会社により異なります。 プロセスの切り口を会社の現状に合わせて見直し、仕事のやり方やマネジメントの仕組みをスキルアップしていく、これがISO9001に取り組む上での難しさであり、またISO9001を使って利益を生み出す仕組みだと思います。

弊社もISO9001取得4年を迎え、各部署でのプロセスの考え方、マネジメントの仕方を再点検する時期に来ました。

2006年09月05日(火)更新

ISO会(アイソーカイ)開催

弊社ではISO9001:品質マネジメントシステムを見直すための委員会(通称「ISO会(アイソーカイ)」)を
本日より3ヶ月に渡って定期的に開催することになりました。
委員会のメンバーは各部署の代表からなり、アドバイザーとしてISO導入コンサルティングをされている中島正明氏を迎えました。

ISO9001とは、平たく言えば「お客様の求める品質を持った製品・サービスを作り出すためのマネジメントの仕組み」のことを言います。

ISO9001を取得して今年で4年になりますが、取得当時には予想していなかった課題もいろいろと出てきています。
中島氏の指導を受けながら弊社のISOへの理解を深めながら、より一層の品質体制の改善を図っていきたいと思います。

2006年09月02日(土)更新

経営者会報ブログ【今月のお題】新人をどのように育てていますか?

弊社の人材採用は、ここ数年、中途採用を中心に行っています。
理由は、中間層が薄いのと企業として世代交代の時期のため。

だから即戦力が求められますが、何分ニッチな分野のこと、中途採用でもほとんどが異業種・異分野からの入社です。 

そこで弊社では、新人育成のためのマップを作成し、それに基づいてOJTで育成を図っています。
マップは3種類、「行動目標」と「計画表」、それから「行動達成シート」。
これらは部署ごとにそれぞれ作成しています。
「行動目標」には縦軸にその部署で仕事をする上で達成しないといけない項目、
横軸は期間、のマトリックス表です。 期間の区切りは部署によって異なりますが、3ヶ月から半年、長くて1年で設定します。

この表は、例えば「最初の3ヶ月は、この項目について、これだけのことはできるようになって欲しい」と読みます。

この「行動目標」に基づいて「計画表」を立て、「行動達成シート」で定期的に(概ね3ヵ月ごと)に達成度合いをチェックしていきます。

これら3つのシートを用いることで、
①業務内容が整理されているので、一目で何を習得しなければいけないかが解る。
②マトリックスのそれぞれの項目がマイルストーンになるので、励みになる。
③評価に用いることができる
というメリットがあります。

さらに弊社の場合は、その日に学んだことを「研修日報」の形で書いてもらい、上司に回覧した上で、バインダーに綴じてもらいます。
新人にとっては書くことで学びの復習になり、また日報を振り返ることで忘れたことの復習となります。
また新人のいる部署にとっては、次の新人を育てる上でのマニュアル的な役割を果たすことになります。

弊社の営業部社員4名のうち3名はここ3年に入社した人達ですが、この仕組みを使うことで、今は弊社の中核となっています。

2006年08月23日(水)更新

キャリアプランについて

<質問>
働き方の多様性が広まる昨今の情勢を反映して、
大学でもキャリアプランの必要性が強く叫ばれています。
私自身も何とか10年後の姿まで、鮮明に描けるようになってきました。
そこで、経営者のみなさまに質問です。
現在のお姿は、20代の頃から描き続けてきたものですか。
また、今後のキャリアプランに関して、何年後にどのような状態でいるところまで、
お考えになっていますでしょうか。(明治大学政治経済学部 小川貴昭さん)


齢20代で10年後の姿まで鮮明に描けるようになることは素晴らしいことですね。

私の場合、20代と言えば、大学を出てソーシャル・ワーカーとして精神科医療に携わった頃です。
その頃は何年か勤めて、現場でいろいろ勉強して、また大学でソーシャル・ワークの勉強が出来たら、なんてお気楽に考えていました。 今から考えると現実味のある話じゃなかったですね。

その後、いろいろと転職を重ね、今に至っています。
今の自分の姿なんか20年前には想像できなかった。

でもいろいろ経験したことが今の自分に生きてると思っています。 キャリアがガラッと変わったことについては、以前は悩んだこともありましたが、今はそれもいいかなと思っています。 
人間何がどうころぶか、わからないものです。

10年後の自分の姿は描いていません。 何か自分を規定してしまうような気がして、嫌なんです。 10年後を規定しない方が何でもできるような気がします。
もっとも加齢との付き合いをしながらですが。

2006年08月18日(金)更新

ゲド戦記とISO9001

宮崎吾朗監督のアニメ「ゲド戦記」が公開されています。
ゲド戦記は架空の世界・アースーシーを舞台にした、ハイタカと呼ばれる魔法使いの物語です。

その世界で魔法をかけるには、かける対象の「真の名」を知らなくてはなりません。
例えば舟で海に出て、魔法で帆に風を送ろうとすれば、風の「真の名」を知らなくてはならないのです。 また魔法で人を支配しようと思えば、その人の「真の名」を知らなくてはなりません。 ハイタカの「真の名」は「ゲド」です。そして「真の名」を知るのは彼が本当に信頼を置くことのできる人だけです。


昨日から今日に渡り、ISO9001の維持審査を受けました。 いつになく会社にある本質的な課題が浮き上がり、社内での議論も盛り上がりました。

ISO9001は「儲からない」と良く聞きます。
それは本当のことだと思います。なぜならISOは経営の道具でしかないからです。

道具は「真の名」を知らないと、利益に結びつくことは決してありません。
そのことを理解できずにISOにかかる費用だけに目を向けがちのような気がします。

ではISO9001の「真の名」は何でしょうか。

それは「顧客重視」をはじめとする8原則であり、とりわけ重要なのが「プロセス・アプローチ」と「マネジメントへのシステム・アプローチ」だと思います。
その二つの意味を知ることでISO9001が生きてきます。

今回の維持審査はそのことを改めて思う2日間でした。

2006年08月10日(木)更新

新卒採用の人材募集費

午前中に人材紹介会社の方とお会いしました。
その会社の強みは新卒採用にある。

話をしていて印象に残ったのは、
単に採用募集するだけでなく、学生の皆さんにいかに会社を魅力的にするか、ということ。
事務所を改装して綺麗にしたり、普段の社員の服装を小奇麗にするだけでも違ってくる、という。

一番大事なのは会社の風土を如何にかもしだしてそれを伝えるか、ということだが、社長の思いを伝えるだけでは足りないということだと感じた。

「人材募集費」は、単に人材紹介会社に支払う費用だけではない、ということに気が付きました。
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個人プロフィール

同志社大学文学部社会学科社会福祉学専攻を卒業医)松田クリニック・健育研究所に勤務し、デイケアなどに精神科ソーシャルワーカーとして携わった。 ソフトウェアハウス、外資系メーカーにて経理・総務・輸入物流の担当を経た後、2001年(株)サワダ製作所 代表取締役。TOC(制約理論)思考プロセス・ジョナの有...

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