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2010年10月13日(水)更新

「海外で得られる教訓」について

〈質問〉----------------------------------------------------

 海外で得られる、得た経験・教訓はありますか?

       (明治大学商学部 菅原健太郎さん)

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サワダ製作所に入って事業を引き継ぐ前の3年間、米国系の会社にいました。

その中で得られた一番大きなことは、「彼も、我も、同じ人」だということです。


米国人にもいろいろな人がいます。

きっぷの良い人、日本人以上にシャイな人、優しい人、もごもごと英語をしゃべる人・・・・

同僚の中には悩みを打ち明けられて、話を聴いてあげたこともあります。



日本人は日本人以外の人を「外国人」としてどうしても一線引いてしまうところがありますが、国民性や文化、習慣の違いはあっても、接してみると同じ人です。

そのことがわかってしまうとお互い言葉は不自由だけど、コミュニケーションは可能だし、仲良くもなれる。




国内需要が減少していく中で、日本の製造業、特に今まで海外に出たこともない中小企業でも、今後はより海外に目を向けざるを得ないでしょう。


ですが海外では求められる意思決定のスピードも日本にいる以上に速い場合もあり、その地域、地域での考え方、文化、習慣にも慣れていくことが求められます。

一緒に仕事をする彼の人はこういう考え方をして、こういうスピードで、こういう空気の中で仕事をしてるんだとわかること。



そのためには今まで日本で慣れ親しんできた自分の周りにある空気から抜け出して、慣れ親しんだ考え方やモノの見方、好き嫌いをほんの少しずらしてあげることだと思います。



今までは、ひとつの組織、事業の中に属してその中で培った経験、知識を生かすことができる人が必要な人材として求められてきたし、そういう人が出世してきたけど、これからは自分が属する組織、事業の枠組みをも取り払って新しい組織を構築できる人が求められる世の中になってくると思います。

それはとても難しいことだけど、海外で経験を積む、ということはその第1歩につながるような気がします。