大きくする 標準 小さくする

2008年03月11日(火)更新

TOC的なラーメン屋さん

先日、博多に行った時にちょっと変わったラーメン屋さんに連れて行ってもらいました。



「一蘭」
URL: http://www.ichiran.co.jp



店頭でまず食券を買い、店内へ。

店頭の食券売り場



店員さんから、表示板で示された「空」の席を案内されます。
(この表示板があれば、店員さんもお客さんもどこに座れば良いか一目瞭然です)

空き席表示板




席は隣の席と仕切り板で隔離されており、半個室になっています。


席に着くと、目の前にはオーダー用紙。

味の濃さ、こってり度、にんにくの量、ねきの種類や有無、チャーシューの有無、麺のかたさ、さらには秘伝のたれの濃さまで自分で選んで丸をつけることができます。


食券とオーダーシートを店員さんに渡したあともラーメンはさほど待つこともなく出てきますが、ラーメンを受け取ると何と、目の前の前垂れが閉められます。

前垂れには食べ方やスープなどについての説明書き。


ここまでされると、あとはラーメンとひたすら向き合う環境に陥ります。

席の前の前掛け



この店のルールは、隣席とは話をしながら食べないこと。
だからやかましいお喋りも聞こえてきません。

また替え玉やネギの増量も事前に食券で変えるようになっていますが、
席についた後も買うことができます。

割りばしの袋に値段と商品が書かれていて、ボールペンで丸をしてボタンを押せば店員さんがすぐ来ます。

替え玉は事前に食券を買っておくと、「替え玉プレート」という金属プレートをボタンの上に載せるだけ。
ボタンもフィルムスイッチで出来ているので、じゃまにならず、また金属プレートの自重で自動的に押されます。

食べたあと、出口は入口とは別の場所から。



ラーメン屋さんの場合、いかにお客さんにじっくりとおいしく食べてもらうか、ということと単価が安いので、いかに回転率を速くあげるかということが課題ですが、この二つは対立関係にあります。


なぜならお客さんにじっくりとおいしく食べてもらうことは、在席時間を長くさせることになり、
また回転率を上げることは、お客さんにじっくりおいしく食べてもらうことが出来なくなるからです。

両方の目的はお客さんがたくさん来て、商売が繁盛することなんですが・・・


TOC(制約理論)では、この二つの対立する関係を解消するためにインジェクションと呼ばれるブレークスルーを導入するのですが、
一蘭さんは、店内を徹底的にシステマティックにした仕組み作り、というインジェクションで、この二つの対立関係を解消させています。


おみごとです。


東京、大阪ほか他府県にも店舗が出ているので、是非行ってみてください。
味もおいしいですが、勉強になります。