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2007年08月09日(木)更新

社会人としての資質をどう培うか

<質問>
学生時代の過ごし方についての質問です。
社会人としての資質は、ビジネスに関して行動する以外に、どんなときに、培われるとお考えでしょうか。
(明治大学商学部 天野亘さん)




ある学生が大学の交換留学制度を使って、アメリカのニューイングランドの片田舎に1ヶ月あまり滞在しました。

滞在した町のメインストリートは10分くらいで通り抜けることができるほどの、小さな、でものどかなところでしたが、障害者のためのパーキングエリアが至るところに整備され、またどの店も車椅子で入りやすいように段差もなく、間口も広く取られています。

ある日、大学の教授にお願いして、街のコミュニティセンターを訪問しました。
学生はホールに掲げられた一枚の絵の前に立って、衝撃を受けました。

その絵に描かれていたのは、ありとあらゆる人種の人々。
そして一つの方向をじっと見つめている姿。

町のあり方、そこに住む住民の姿勢、
そのことすべてを象徴している一枚の絵。

ことばではなく、直感的に解る一枚の絵で象徴しているのが素敵だと思いませんか?

1983年、夏。 日本にまだ障害者専用の駐車場がない時代の話です。


福祉を根付かせるためには、その町の文化や風習にあったものでなければならないと思います。
単に障害者専用の駐車場を整備したところで、障害を持たない人達が悪意もなく利用するのは当然至極。

ビジネスも同じ。
町の姿勢を象徴するのが一枚の絵なら、企業を象徴するのは経営理念。
姿勢を明確にするのは経営陣の仕事です。

ただそれに気付くのは遥か後のことですが・・・


どんな経験でもそこから何かを得る、というのは大抵時間が立ってからの方が多いんじゃないでしょうか。
学生の良さは、時間が自由に使えるということ。
学生でないと出来ないことを、目一杯してみてください。

それが資質になると思います。

2007年08月09日(木)更新

組織作りを考える②   自社の組織形態を考える

組織の形には、機能別組織、事業別組織、そしてマトリックス組織があります。


機能別組織は、営業部、製造部、技術部・・・など機能に着目して組織デザインを行った組織です。
機能に分けるので、社員はそれぞれ自分の専門性を生かして業務を行うことができ、
同じ機能が集まるので効率性が良くなります。


事業部性組織は、○製品事業部とか、△地域事業部など、
事業部を経営層の下に編成した組織形態です。

機能別組織が組織の内部に着目して編成した組織なのに対し、
事業部性組織は組織の外、顧客に着目して編成されています。

事業部性組織は、それぞれの事業部に大幅な権限委譲がされているので、
外部環境にあわせて迅速に対応でき、経営層は全社的な戦略的意志決定に
専念できるというメリットがあります。


マトリックス組織は、いわゆる格子状組織と言われる組織です。
例えば横軸は製品ごとの部門、縦軸は機能別の部門に分かれており、
Aさんは○製品部と販売部に属していて、横で席を並べているBさんは同じ販売部だけど、×製品部に属している、といった具合です。
一人の人に二人のボスが付くことになります。

ある課題が発生したときには、組織横断的にプロジェクトチームを組むことがありますが、
マトリックス組織はそれを恒常化したものと考えれば良いと思います。
製造現場で言えば多能工化をイメージすれば良いでしょう。


実際の組織はこの三パターンを組み合わせて組織をデザインしているのが通常です。

中小企業の場合は少人数で複数の業務をこなさないといけないことが多いので、
組織図上は機能別組織、実態はマトリックス組織のようなところが多いのではないでしょうか。

自社が現状はどういう組織形態で、その場合のメリット、デメリットは何なのかを見つめるのは悪いことではないと思います。




つづく・・・
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