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2012年06月22日(金)更新

【学生・社会人との毎週一問百答】第258弾「つらいときの乗り越え方」について

〈質問〉----------------------------------------------------

 

 精神的に一番つらいとき、どのように乗り越えるのでしょうか。

 

           (明治大学文学部 石川尚範さん)

   石川さんのブログ:松下幸之助氏みたいな経営者になりたい、会ってみたい

 

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弊社は韓国に子会社を設立して、実質的には今期が2期目になりますが、

実は子会社を設立するとき、最終決断は一晩で行いました。


韓国進出は、パートナーで現在、韓国サワダの副社長が5年前に弊社をたまたま訪問したのがきっかけです。

韓国で一緒に仕事をしよう、ということになり、当初は韓国に直接輸出することから始まりました。

日本からの輸出だけでは、コスト的な問題がありましたので、パートナーからは熱心に現地での生産を勧められました。

ただ当時は弊社は現所在地に新工場を建てたところで、資金的なこともあり、また韓国にも現地の競合がいますので、実際市場としてペイするのかどうか判断がつかなかった。
もともと弊社のようなニッチ産業は市場規模などのマーケット調査が難しいのです。


判断がつかないときは意思決定は保留するに限るのですが、韓国に来ませんか、という誘いもあり行ってみると、パートナーの案内で韓国の工業団地を見せられました。

見せられたその日の夜、ホテルの部屋で、パートナーと弊社スタッフが集まり、話をしたときに子会社設立と現地での生産を決断したのです。2010年の7月のことです。

結局はパートナーとのつながりと彼女の熱意があったればこそ、決断出来たのだと思います。

精神的に一番つらいときも、その時々にご縁のあった方、周りのスタッフとのつながりがあったから乗り越えてきたのだと思います。


偉人と言われるどんな有名な経営者も一人では何も出来ません。

普段は目に見えない、まわりの人たちとのつながりや、ちょっとした支えが大きいのではないでしょうか。



あと蛇足ですが、乗り越えるためのツール、というのもあります。

それはTOC(制約理論)の「思考プロセス」やトヨタ生産方式の「なぜなぜ5回」。

こういったツールを使うことで、周りの問題を自分の解決できる範囲にもっていく、ということも有効だと最近つくづく感じています。

これについてはまた後日。