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2008年04月03日(木)更新

「入社3年目で辞めていく若者」について

<質問>
新入社員が会社を3年で辞めるといわれる昨今の状況について、どう思いますか?
(岡田光太郎さん)




3年で辞めることについては、別に悪いとは思っていません。
社会に出てみて学生の頃には気が付かなかったこともあるだろうし、どうしてもその会社になじめないこともあるでしょう、どうしても他にしたいことが以前からあってそちらの方向に行きたい、と言う人もあると思います。

就職はお見合いですから、3年で辞める人が出て当然。

受け入れる会社側でも入社した方への責任があります。 しっかり育てて欲しいし、そういう環境を作るのが責務だと思う。



ただ、

気になるのはその後も何回も転職を繰り返す人・・・・。


弊社は現状では中途採用しか採ってはいませんが、募集をかけると必ず何回も転職を繰り返す人が応募してきます。


転職歴が多いだけに(?)、志望動機もそれなりに答えられるのですが、よ~く突っ込んで話を聞いてみると、どうも本音はちがうところにある。


「自分探し」、というのか、「自分にとって仕事はかくあるべきで、それにあてはまる仕事を探したい」、という人が多いように思います。



仕事というのは世間様が求めていること、ニーズがあるから、それが仕事になるのであって、決して自分の枠に当てはまる仕事があるわけではありません。

その辺りのところをどうも思い違いをされている人が多いように思います。



語弊を恐れずに言うなら、社会人になっても、まだまだ親のスネをかじってられる、だから別に世間の価値観やいろいろな人のモノの見方を受け入れなくても生きていける、そんな環境が世間様の求めるニーズに自分を合わせることができない、する必要がない、そんな人たちを生み出しているような気がします。


求人と応募のアンマッチが日本の労働市場にはある、と言われていますが、今後も解消されることはないでしょう。
世間様のニーズに合わせて自分を生かしていける人と、自分の枠から外れることができずに(世間様のニーズが汲み取れずに)何回も転職する人、に二極化していくのではないでしょうか?

高齢化社会がさらに進む日本の労働市場の中で、そういう状況が起こるのは空寒い限りです。



新入社員が3年で辞めるのはいろいろ事情があるし、悪いことではない。
でも肝心なのはその後です。

転職は、人生の中で自分を見つめなおす最も良い機会です。
どうか思い違いをしないで、次のステップに進んで欲しい、と思います。