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2006年04月20日(木)更新

起業家になくてはならないもの

こんなご質問をいただきました。

<質問>
私は将来起業家になりたいのですが、起業家になくてはならないものをひとつ挙げるのであれば、どのようなものですか?
また、それは、どのように身に付けるのでしょうか?


残念ながら「なくてはならないもの」はいろいろあります。 どれもが大事なことなので、そこからひとつだけ挙げることはできません。

でもアドバイスとしてお聴きいただけるのなら、
「(自分のフィルターを一度はずして)人の話を聴いてみる。」クセを付けることをお勧めします。


経営者は自分が考え、生み出した製品やサービス、あるいはビジネスモデルや組織そのものに思い入れがあります。
思い入れがあるからこそ頑張れるのですが、そういった思い入れを一度脇に置いて周りの人の話を聴いてみましょう。

製品のことはお客様に聴けば良いし、会社の運営の仕方やリーダーシップのことは社員さんに聴いてみると良いでしょう。
自分の経営者としてのあり方は、他業種の方と交流して話を聴くのも良いと思います。

人は想いが強いほど、その話についての知識が深いほど、人の話をフィルターをかけて聴いてしまいます。
でもそういったフィルターを一度はずして話を聴いてみると、思いがけないアイデアや考えが浮かぶことがあります。
そうすることで自分の事業が客観的に見えて、次の行動につながります。

私は自分で起業したのではないので、自分で起業された方の苦労は幸いしていませんが、経営者として事業を継続する上で大事なことだと思っています。

起業の方、頑張ってください。

2006年04月20日(木)更新

先代のこと

私の机の中には、いつも親父の写真が入っています。
免許書で使うような小さな写真で、親父の机を整理していた時に出てきたものです。

日々の行いの中で、時々引き出しを開けては眺めながら考えます。

「(こういう時)親父だったらどうするのかなぁ....」


父はまだ明治の雰囲気が残っていた大正2年の生まれで、子どもから言わせると、文字通り「怖い頑固親父」でした。「親子喧嘩」というものもできないくらい怖かった(笑)

会社を引き継いだとき父はすでに会社には来なくなっていたので、直接的には父の経営のやり方は見ていません。
ですが子どもであるが故に、先代のやり方のまずさや悪さ、逆にこれはマネできないなぁ、というところは人に話を聴いたりもして、何となくわかります。


時々、同じような2代目で、でもお父さんがまだ現役バリバリで仕事をされている方とお話をする機会がありますが、

「(父と)経営についての価値観が異なるから、思うようにできない。」

「(社員が父の育てた古参の人達なので)こうして欲しい、と言うところが中々動いてもらえない。」

と、言ったお話をお聴きします。

私も自分の想いや考え方が中々社員に伝わらないことがありますが、会社を引き継いだ時、父はまったく会社には出てこなかった。

引継ぎ事項も一切ゼロで、すべてまかせきりだったので正直困りましたが、今から考えると、ポンと経営権を引き渡して口出しも手出しもしなかったのは父らしい、流石だなぁ、というやり方だと思っています。

家庭人としては良い父親とは言えなかったなかったけど、でもやはり一代で会社を築き、事業を継続させた、という事実は経営者として尊敬し、そして問いかけています。

「親父だったらどうするかなぁ...」と。