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2009年08月04日(火)更新

「学生時にやっておきたかった事」について

<質問>------------------------------

私は、親に「大学在学中は勉強、もしくは何かをやれ」と言われています。
結局、たいした勉強もしないまま3年が過ぎてしまったのですが、
まだ1年残っています。

もし、経営者の方々が大学生に1年間戻れるとしたら、
何をやりたい(もしくは、やっておけばよかった)と思いますか。

                  (明治大学商学部 寺沢直紀さん)
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もし私が大学生に1年戻れるとしたら、卒業論文のためのフィールドワークをしたいですね。



専攻は社会福祉学で、卒業論文のテーマは高齢者医療でした。
当時ボランティアで独居老人の家庭を訪問していたのですが、その経験から「独居老人が街に積極的に出る様な対策を行えば、今後上昇していくであろう医療費が削減できる」、といった趣旨だったと思います。


当時、訪問させていただいていたお年寄りは、どの方もあまり外に出たがらず、家に引きこもりがちでした。
反対に福祉センターなどでゲートボールをされていたお年寄りは、皆さん日に焼けて生き生きとしていた。
あまりにその姿が対照的で、「この差は一体何なんだろうな、普段引きこもりがちの方が外に出るようになれば、寝たきりになることも防げるのかな」と思いました。


でも文献中心で論文を組み立てたこともあって、論理構成も不十分で自分ではかなり不満に終わったことを覚えています。
感覚的には高齢者医療とはこうあるべきだろう、と思うのだけど、それをどう客観的に検証すれば良いのかさっぱり分からず、結果、考察も不十分になってしまった。


なので、もし1年間戻れるとしたらフィールドワークをみっちりして、きちんとその辺りを検証したいですね。



ものごとを何らかの指標で「見える化」し、「あるべき姿を描く」、その上で「あるべき姿」と「現状」との差が何であるかを見て、それらを課題として取り組んでいく。
私たちが現在携わっている「ものづくり」の世界ではこの姿勢は一番基本的で、かつ最も重要なことです。

学生の時出来なかったことと同じなんです。

そういう姿勢を若い時から身につけている方を私は一番評価しますよ。