大きくする 標準 小さくする

2007年03月03日(土)更新

知識労働者は歯車ではありません

<質問>
就職について前向きになれません。なぜなら、就職してサラリーマンとして働くことは社会の中の「歯車になること」になるとしか思えず、嫌悪を感じるからです。
この考え方はおかしいでしょうか? 何かアドバイスをお願いします。
(明治大学商学部生)




「仕事」とは何でしょうか?
私は仕事、というものは社会で何か必要なことがあるからそれが仕事だと思っています。  仕事は決して自分で産み出すものではないのではないでしょうか?
人から求められるから仕事、だと思うのです。
そういう意味でサラリーマンの仕事も人から求められている、と言えます。


「歯車」という言葉には機械的、無機的な響きを感じますが、たぶんサラリーマンになることは自分で意志決定できない、自由に自分が思うような仕事ができない、というイメージが強いのでしょうか?


世の中にはサラリーマンになるよりも自分で起業をすることが向いている方がいます。また環境としてそういう機会にあった、という方もいます。
どこかの会社に勤めるにしろ、自分で起業するにせよ、仕事である以上、「人から求められて」行うことには変わりありません。
「求められて」自分が何を行うかが大事だと思うのです。


起業をすれば、「求められること」への責任は自分一人が背負うことになります。 起業をすることは自由に意志決定ができますが、その責任を果たす覚悟と意志が必要です。 さらに付け加えれば責任を果たすためのいくらかのお金も。


会社に勤めると起業するよりも自分で意志決定できる範囲は限られます。 もどかしさや上司・会社への不満も産まれます。 それも相当高い確率で。

でも仕事に対して自分がどのように行動するのか、という意味においては起業をするのと何ら変わりません。
会社と言ういろいろな人が集う(注意:場合によっては魑魅魍魎がいる場合もあります)場所でいろいろな軋轢を感じたり悔しい想いをしながらも、先述の視点を忘れないことが大事だと思います。


P.F.ドラッカーの言うように、これからは「知識労働者」の時代です。 「歯車」では無く、「知識労働者」として何をするのかを考える視点で考えてみてください。


ちなみにご存知だとは思いますが、日本のほとんどが中小企業です。 中小企業は大手企業に比べて責任感を持たされて仕事をする機会も多く、弊社でも社員さんががんばって仕事をしています。 現在、労働市場は人手不足に転じているようですが、中小企業では「知識労働者」の働き場として、働き甲斐のある場所であると付け加えて置きます。
<<  2007年3月  >>
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31