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2006年10月05日(木)更新

プロセスアプローチと利益の出るISO9001(2)

プロセスが定まったら、ISO9001ではプロセスをモニターしなければなりません。

8.2.3 プロセスの監視及び測定
組織は、品質マネジメントシステムのプロセスを適切な方法で監視し、適用可能な場合には、測定をすること。 これらの方法は、プロセスが計画どおりの結果を達成する能力があることを実証するものであること。 計画どおりの結果が達成できない場合には、製品の適合性の保証のために、適宜、修正及び是正処置をとること。
(ISO9001 品質マネジメントの国際規格)

つまりプロセスが計画どおりの結果を達成しているかどうかについて、自動車のタコメーターのように常にモニターすることができるようにしなければならないのです。
もしこのメーターが異常値を示せば、そのプロセスの関係部署は何らかの手を打たなければなりません。

プロセスの概念

ではプロセスのモニター項目を何にするのか?
ISO9001導入当初は、弊社ではこのモニター項目を単純にクレーム件数としていました。
クレーム件数の目標値を定めて、その目標を達成する、というやり方をしていました。
ですがクレーム件数を減らしていけば品質が上がるのか、利益が増えるのか、というと弊社の場合はそうとも限りませんでした。

良く考えてみると、何をモニター項目とするかはそのプロセスの部署の方針や戦略に基づくべきことであり、引いては全社レベルの品質方針、経営戦略に基づくべきものです。
そうでなければその企業が実行している戦略とはかけ離れた項目をモニターしていることになり、利益には結びつかず、仕事量を単に増やすだけで終わってしまうとことになりかねません。
どうやらISO9001は利益を生まない、という認識はこの辺りから出ているような気がします。

ISO9001を企業の収益に役立てるためには経営方針、経営戦略に基づいて適切なモニター項目を決める必要があります。
プロセスのモニター項目を決めることはトップの理解と関与が必要でしょう。
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